セドナ続報
太陽系第10惑星発見か?と話題になった「セドナ」ですが、どうやら惑星として分類される可能性は極めて薄い様です。
セドナの発見者の一人マイケル・ブラウンは自身のHPの中で「我々はセドナを惑星であるとは見なしていない。」と語っています。
しかしセドナは長らく仮説として語られてきたオールトの雲(1950年にJan Ooltの軌道計算によって示唆された原始彗星の層(無数の氷の塊では無いかと言われている)であり恒星間にまで広がる緩い軌道を持って太陽を回っているとされる、彗星の素となる天体がその中を通過する際、軌道が変化し我々が良く知る彗星となる…らしい)に属する事が確認された最初の天体となるかも知れません。
従来オールトの雲は今回発見されたセドナより更に遠くに有るとされてきましたが、セドナが発見された事により太陽系の近くにも「内オールトの雲」とでも呼べる何らかの天体群の存在を示唆する可能性が有ります。
マイケル・ブラウン氏は同文の中で惑星の定義として、「同じような軌道を通っている他の天体すべてよりも巨大な太陽系の天体を惑星と定義する」と説明しておりその定義*1においてセドナを惑星と呼ぶ事は出来ず、この様な天体を従来の小惑星(asteroid)と区別する為プラネトイド(planetoid)(適切な訳語無しー半惑星?準惑星?)と呼ぶ事を提案しています。
またセドナの名前の由来について、それが太陽から最も遠く寒い場所に有る天体である為、地球上の最も寒い地域に住むイヌイットの伝説の女神の名を付けたと語っており、今後オールトの雲内で発見される天体には北極圏の神話からその名を採る事も提案しています。
な~るほど名前の由来は納得です。惑星にはならないかも知れないのは残念ですが、赤い衣を纏った隻眼の女神の神秘はますます深まるばかりです。
関連LINK
■Geological&Planetary Sience(CALTECH)内のセドナのページ
http://www.gps.caltech.edu/~mbrown/sedna/
■NASA
http://www.nasa.gov/vision/universe/solarsystem/planet_like_body.html