虹の格子
このサンストーンは今回の池袋ショーでみつけました。
ご覧の通り透明度も低く一見地味な正長石ですが角度を変えて光を当てて見るとこの通り
光る格子柄でギランギラン。
格子の正体はイルメナイト(チタン鉄鉱)とヘマタイト。
このタイプのサンストーン、ルースは最近たまに見かける様になったのですが原石に近い状態の物をみたのは初めてでした。
さてこの石を手に取ってずっと抱いていた疑問が解けました。
その疑問とは「何でこんな風に平べったい変な形のルースばかりなのか?」
今回入手したラフを見て納得、格子状の内包物が見られるのは石の表面近くのものが多くこれでは薄いルースしか磨けなさそうです。
この格子構造が石の深い場所にあり透明感が高いもの程高価になるとの事でしたが、そのような原石は極めてまれなのではないでしょうか。
このBlogのヘッダーに使っている写真もラティスサンストーンのルースを写した物ですがこのルースもやはり扁平なクッションカット、ヘッダーの写真は薄い箔状の赤鉄鉱が透過していますが、同じ石を光の当て方を変えて写したのが下の写真です。
この不思議な構造を持つサンストーンはオーストラリアのMud Tank Zircon Field, Harts Range, Central Desert Shire, Northern Territoryの1箇所でしか採れないと言われています。
http://gemfossicking.com.au/mudtank_fields.html
このタンブルを売っていたお兄さん曰く「産地の一帯が国立公園(?)になったからもう採掘出来ない。」との事、気になる人は比較的出回っている今の内に入手しておく方が良いかもしれません。