KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

米の企業、クローン猫を5万ドルで販売

20050109012720.jpg

クローン猫”リトル・ニッキー”


◆癖も同じ?クローン猫 米社、5万ドルで販売(Excite News)

クローン猫を販売したのはジェネティック・セービング・アンド・クローン社。販売されたクローン猫は、DNAを採取した元の猫と口中のほくろの位置も同じ。購入者である40歳代の女性は「見た目では判別できない。お風呂に張った水で遊ぶ癖まで同じ」と満足しているという。

遂にクローン技術が現実に商品化される時代がやって来た様です。

この企業"Genetic Saving & Clone"社(以下GS社)のHPによると、同社は5年間の研究の結果、実用に耐える高度なクローン技術の開発に成功今年2月に"Nine Lives Extravaganza "という世界で初めての商用のペットクローニングサービスを開始、2004年内に計画されていた9件のクローニングは全て顧客からの注文との事なので、今回Newsになったケースは多分そのうちの一件なのでしょう。

GS社の「サービス商品」であるPETBANK(クローンが必要になるまで遺伝子細胞を預かるサービス)の詳細な案内を読むと遺伝子細胞の採取方法の説明からペットが急死した場合のクローニング申し込みの為の対処方法までもが掲載されてその具体性に驚かされました。

HPのTOPからは日本語で読めるLou Hawthorne CEOによる企業理念の紹介やお問い合わせのフォームまで用意されていてペットブームが加熱しているわが国も今後の重要な顧客とみなされているのが良く解ります。

同社によると(GS社のサイトから引用)

クローンは、姿形だけでなくそのペットにしかない性格やしぐさまで正確に複製することができる唯一の方法です。私どもの技術は、ドリー(世界初の羊のクローン)に使われた技術とは比べものにならない最も進んだ最先端の技術です。

と云う事ですが、

実際5年間という短い期間で本当に先の「ドリーの悲劇」やホワイトヘッド生物医学研究所によって研究報告された「クローンには、ほぼ確実に異常が発生する」の様な数多くの懸念を払拭するのに充分な検証が出来ているのでしょうか?

GS社のHPにはクローンに関する生命倫理に関する見解やフォーラムまで用意されていて決して安易にクローニングに取り組んでいる訳ではない様ですが、それでも生命を商品化する事には深い危惧を抱かずには居られません。

私はペットを飼うと云う事はその生き物に(時には強引に)付き合ってもらう代わりに、死をも含めてその一生に責任を持つと云う事だと思います、任意で再生できるペットなんて根本的に何かが違う気がします。

ペットを失う辛さは解るけど、もし死んだ愛猫を再生してくれると云われても答えは「否」、外見が同じで基本的な性質が似ていたとしてもそれはやっぱり死んだコとは違う猫だと私は思う。

動物クローニングの技術が発達すれば次は人間をとなるのが当然の道筋でしょう、バイオテクノロジーの発達で人類が得るのは古代からの悲願である「不死の妙薬」なのか、それとも「パンドラの箱」なのでしょうか…。

■参考LINK

Genetic Saving & Clone.INC

12/24追記

関連エントリー

ABC振興会さんの記事

Wired News