KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

虹の格子

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このサンストーンは今回の池袋ショーでみつけました。
ご覧の通り透明度も低く一見地味な正長石ですが角度を変えて光を当てて見るとこの通り
光る格子柄でギランギラン。
格子の正体はイルメナイト(チタン鉄鉱)とヘマタイト
このタイプのサンストーン、ルースは最近たまに見かける様になったのですが原石に近い状態の物をみたのは初めてでした。
さてこの石を手に取ってずっと抱いていた疑問が解けました。
その疑問とは「何でこんな風に平べったい変な形のルースばかりなのか?」
今回入手したラフを見て納得、格子状の内包物が見られるのは石の表面近くのものが多くこれでは薄いルースしか磨けなさそうです。
この格子構造が石の深い場所にあり透明感が高いもの程高価になるとの事でしたが、そのような原石は極めてまれなのではないでしょうか。

 

このBlogのヘッダーに使っている写真もラティスサンストーンのルースを写した物ですがこのルースもやはり扁平なクッションカット、ヘッダーの写真は薄い箔状の赤鉄鉱が透過していますが、同じ石を光の当て方を変えて写したのが下の写真です。

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この不思議な構造を持つサンストーンはオーストラリアのMud Tank Zircon Field, Harts Range, Central Desert Shire, Northern Territoryの1箇所でしか採れないと言われています。
http://gemfossicking.com.au/mudtank_fields.html
このタンブルを売っていたお兄さん曰く「産地の一帯が国立公園(?)になったからもう採掘出来ない。」との事、気になる人は比較的出回っている今の内に入手しておく方が良いかもしれません。

池袋 東京ミネラルショー2015 

さて一年ぶりの更新です。

今年も池袋で開催された東京ミネラルショー、ざっくり言ってしまうと鉱物関連は目新しい物が少ない。

今回は初日を逃したこともあり、これといった目玉となるものが見つからない感じで特別展の影響か単に売れ筋だからか蛍石が多少目立つかなと思ったくらいでした。

 化石関連は門外不出の筈(?)の澄江生物群化石やロシアのカンブリア紀の標本など事前に話題になっていたものも。

特別展はフランスのフローライトコレクターの秘蔵コレクション、ミュージアムサイズののChamonixの紅い蛍石やLe Burgの巨大なブルー蛍石など見所満点、もう少し綺麗にディスプレイすると更に見栄えがしたと思うのですがこれだけのコレクションはなかなか見られないので楽しく拝見しました。

 会場を見て回るといつも買い物しているロシアの業者さんが見つからずもう来なくなったのかと焦りましたが、今回はいつもと違う場所でデマントイドと色鮮やかなロシア産のアズライトボールをメインに並べていました。

出品数は少ないのですがウラルスモーキーのルチル入りやブロンズ色に輝くネフェリンなどなかなか面白い品揃え。

今回は何となくドードーという産地に惹かれブルッカイトを入手しました。

アズライトボールは沢山あったので帰りに買って帰ろうと思っていたら時間切れで購入出来ずちょっと心残りです。

今回はマクネイルさんでネプチュナイトを買おうと思って意気込んで行ったのですが、2日目で売り切れたのか残念ながら好みの物が見つからず、これは6月の新宿で抑えておくべきでした。

ちょっと面白かったの1階のインド系のお店、何時ぞやディスコボール魚眼石を大量に出していたところと同じだと思うのですが今回は八面体魚眼石を大量に出してました。

割合珍しいと思うのですが晶洞の中からこんな風にザクザクでてきたんだろうなと思わせる豪快な売り方で出し惜しみしていない感じが好感が持てますw 

今回Twitterで話題だったのは3階に出展していた人工結晶を並べていた業者さん、色鮮やかで大きな人工結晶はファンタジックでなかなか魅力が有ります。

しかし、どれもこれも保管が難しいので私は入手を断念しました。

もう一つ帰ってからTLを見たら何気に皆さん気づいてお買い上げだったのは写真の左端に写っているラティスサンストーンのラフです。

やたら明るい外人のお兄さんがお皿にゴロゴロいれて売っていて何気なく手に取ったらラティスだったので吃驚!お値段もこの石にしてはお得な感じで嬉しいお買い物でした。

全体的に海外業者の元気がない印象なのは為替の影響が出てしまったのでしょう、今の円安の状態では価格が高くなるのは仕方有りませんしこの状況で来てくれただけでもありがたいです。

さて厳選の末の今回の収穫、ご覧の様に全体に地味—な品揃えとなりました(笑)

池袋ショーと言えば化石なのに資金不足で今回は一つも購入せず、個人的に今回今ひとつ物足りないのは多分そのあたりが原因かな。

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ブログ再開&はてなに出戻りました。

お久しぶりです、Blog再開致しました。

長らくFC2で鉱物蒐集のBlogをやっていたのですが、多忙で更新がままならない為長らく休止しておりました。 Blogを再開するにあたり以前から広告が目立ちすぎるのが気になっていたFC2から古巣のhatenaに出戻る事にしました。 ここも広告が出ますがTOPにどーんと出るのと記事下に小さめに出るのとでは印象が違いますよね。

実際引っ越し作業をしてみると記事の移項はあっけないほど簡単だったのですが、コメント欄にFC2のコメントIDみたいな変な文字列が表示されてしまい、読み込む前にテキストとして開いて片っ端からそれを削除するという大変アナログな作業を経て無事解決、ウチと違ってコメントが多いBlogだとこの点が大変かもしれません。 実は完全移項ではなく画像はFC2からリンクして表示しています。

Blogらしきものを始めたのはhatena Diaryからだったのですが当時のhatenaは大きな画像を表示するのが難しかったためFC2に移ったのでした、今はその点は問題なさそう。 久しぶりに出戻ったら機能が増えまくっていてびっくりしています。

ここでは主にTwitterに上げた画像のまとめを中心に使って行きたいと思います。 以前と比べて画像が多め文字少なめでぼちぼち更新して行きたいと思いますので 今後ともよろしくお願い致します。

池袋ミネラルショー覚書

Quartz Var. Amethyst with Prehnite

Brandberg Dist. Erongo Region, Namibia

遅くなりましたが池袋のミネラルショーのレポートなぞ。

珍しく初日に行く事が出来たのですが、3F会場のブースの配置がシャッフルされていた事も有りいつもと勝手が違ってとまどいました。

さて肝心のショーですがやはり円安の影響からか全体的には単価アップ、しかしその分真面目な標本が増えていた様に思います。

逆に激安数珠ブレスとかその手の雑貨に近い感じの物は減っていたような。

会場で話題になっていたのはデュモルチ石入り水晶、3Fの標本系のお店にはタンブル状のものが、別のお店ではブレスレットに仕立てられた物が出品されていました。

ブレスレットはビーズ状に磨かれた水晶の中に青い結晶の花が咲いていて非常に美しいものでしたが値段も桁違い(^^;見せて頂けただけで満足です。

今回お買い得感があったのはロシア系のお店でしょうか。

いつも覗いているロシアのお店にはダルネゴルスクのニードル状の赤水晶や透明な蛍石の良品が並んでいました。

写真のプレナイト付きのアメシストは三階に今回初めて出展していたナミビアのブランドバーグ鉱山の水晶を持ってきた海外業者から買ったもの。

同じプレナイト付きでもプレナイトが主役の物、プレナイトが水晶全体を覆っている物など色々なタイプが有って迷いました。

このお店、他にもグリーンクォーツのクラスターにゲーサイト・レピドクロサイトのインクリュージョンが入ったポイントが付いたタイプや水入りのアメシストなどなかなか面白い標本を持ってきていました、来年も来て欲しいお店です。

今回は一日しか行けず、何となく不完全燃焼。

やはり会場のスミからスミまで見て回るには数日通わないと難しいですね。

一番の収穫は普段お会い出来ない石好きさんにたくさんお会い出来た事かもしれません

特に南の方に引っ越され以来なかなかお会い出来ていなかった某鉱物紳士に久々に再会出来たのが嬉しかったです。

お元気そうでなりよりでした^_^

第一回秋葉原ミネラルショー

今年初めて開催された秋葉原ミネラルショーを覗いて参りました。

事前にクリスタルヒーリング系が多いという話を聞いていいましたが

会場に着くと入り口付近には何やらスピリチュアル系のブースが立ち並び早くも「なんか違う」感が漂います。

中に入ると会場内は以外と広く、普段はすぴこんに出ていそうなクリスタルヒーリング系と御徒町甲府から出展したルース屋さん、飯田橋でおなじみの国産鉱物の業者さん、赤煉瓦倉庫のフェアの常連のお店など文字通りの玉石混淆、ここまで方向性の見えないフェアも珍しいんじゃないかと思いますがカオスっぷりが面白いと言えば面白い(^^;

今回は初回なのでとりあえず出展してみたお店が多かったんじゃないでしょうか?

客層もライト層が多く、秋葉原に来てみたら駅のそばで何かやってるから見に来たという感じの人も。

鉱物趣味の裾野を広げるという意味では場所的に悪くないと思うのですが時期がちょっと悪すぎるかな、会場でお会いしたSさんが言っていた様にミネラルショーが少ない春先に開催した方が良いのではないでしょうか。(時期は埼玉や赤煉瓦とはしごして出展する業者も多い様なのでその辺りの事情かもしれませんが)

飯田橋では混み〃でなかなかゆっくり見られない国産系のお店をじっくり見られたのは収穫でしたが、

場所との親和性を考えるとどちらかというと地味な標本系よりパワスト系や鉱物をメルヘン的なアレンジで見せるお店の方が方向性的にあってると思います。

果たして2回目は有るのでしょうか。。。

今更ながらミネラルショー覚え書き

超今更なのですがミネラルショーのレポートを二つ。

殆ど自分用のメモですが…

•東京国際ミネラルフェア 2014年6月6日〜10日

今回は前回のカルール産の鉱物を持ってきたインド屋さんの様な仲間内で話題になる様なお店もなく、何となく盛り上がりに欠けたように思います。

今年のトピックとしては新しく出展したスペインの蛍石屋さん、質の良いキャビネットサイズの標本を揃えていましたが価格はやや強気、値段交渉には応じてくれた様ですが標本のサイズもありちょっと手を出せませんでした。

トピックその2は内モンゴルのそろばん型緑水晶。

この産地としてはお値段やや高めでしたので、私は比較的形の整った単結晶を一つだけ入手。

この水晶Twitterの鉱物クラスタの人たちも皆さん入手されたようで、SNSに上げられた

戦利品の写真を見るとそろばん玉がいくつも積み重なった様な群晶や微小な結晶が成長して

ゴジラの表面のようになったタイプなど同じタイプでも色々なヴァリエーションがあり人の好みもそれぞれで非常に興味深かったです。

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その3はマンナード鉱入り水晶、水晶の真ん中に黒い針が放射状に広がったウニかまっくろくろすけか?という趣の内包物が入った面白い水晶です、お店の方に許可を得て写真を撮らせていただきました。

このタイプ去年の池袋ショーあたりから市場に出ていたとのことですが、話には聞いていても本物を見たのは初めてでした。

お値段を聞くと…少々ではなくかなりの予算オーバー、今回はしっかり目に焼き付けて次回のご縁を期待する事に。

まっくろくろすけで思い出したのですが、家にあるススワタリ水晶もこのマンナード鉱?産地は違いますが場所的には近いですし同産地でもマンナード鉱内包の水晶が産出している様です。

 

• ミネラル•ザ•ワールド横浜 2014年7月25日~7日

新宿、池袋の2大ショーと違ってこじんまりとした展示スペースで入場料無料、出展者も国内業者が中心でのんびりとした雰囲気がこのショーの良いところ、比較的ゆったり見られるので初心者にはおすすめのフェアです。

内容的にはルースの業者さんが多めですが、かち割り状のラフ(未研磨の原石)を袋にざくっと詰めた状態で売っていたりティファニーストーンやプレセリブルーストーンのラフが安価に出ていたりと原石派もそれなりに楽しめます。

ゆったり見られるのでお店の方とお話が出来るのが楽しい、新宿や池袋ではそれどころではないですものね。

以前は町田にもお店があったTREASUREのご主人に久々にご挨拶したり、ロシア水晶輸入の草分け的な「水晶の店とも」のご主人に当時の苦労話を伺ったり、そういう時間が一番の収穫かも知れません。

さてお買い物の方はネットショップをいつも拝見しているKey’sMineralさんで思わぬ収穫がありました。

こちらはとても手が出せる価格では有りませんでしたがUSKさんの見事な蛍石コレクションも素晴らしかったです。

USKさんに有った内包物たっぷりのイリノイ蛍石欲しかったなぁ。

飯田橋ミネラルマーケット2014レポート

6月のミネラルショーウィーク、今回も新宿ショー初日は仕事で行けないのは私にとっては飯田橋のミネラルマーケットからの幕開けとなりました。

自分比では早起きをして意気込んで出かけたつもりだったのですが、行きの電車の中でTwitterをチェックするともう二十人近く並んでいるとの呟きが。

飯田橋駅からダッシュで会場に向かった…はずだったのですが見事迷子になり会場にたどり着いたのは会場30分前その時点で列に並んでいるのは100人以上。

例年より会場が広くなっているとの事でしたが、開場とともにあっという間に通勤ラッシュ並みの人混みとなりました。

狭い通路に人ぎっしりで石を見るのにも一苦労なのでコレクターの放出品やレアな逸品を狙う人以外は午後からゆっくりの方がじっくり見られて良いかもしれません。

今回は猫のてぶくろ亭のだぶさんのコレクション放出品とロズウェル砂漠の赤い両剣水晶「ペコスダイヤモンド」が気になっていたのでまず先にそちらに向かったはずが人波に運ばれて別部屋の隅まで流されてしまいました。

そこでしょっぱなに購入した群馬県紫水晶が呼び込んだのか個人的に今回のミネラルマーケットは何故か紫水晶祭りとなりました、コレクション放出品の双晶や岐阜の石屋さんから購入した神岡鉱山の群晶など気がつけば4個も購入、蛍石を探しにいった筈なのに(苦笑)

まず最初に人の波に流されるようにたどり着いた群馬県南牧村紫水晶のブース、この地の紫水晶は「曇天の夕焼け」というか薄く小豆を溶かし込んだ和菓子の様というか何とも微妙な色合いが魅力的です、今回新産地でまとまった数が出たと云う事で話題になりました。

この産地の水晶は一度母岩から分離して再結晶したものらしく両剣タイプやセルフヒールドタイプのものが多く見られます。

私も単結晶タイプと小さな群晶を持ち帰りましたが、この微妙な色合いと根元が細かく再結晶している様子が写真でもわかるでしょうか?

だぶさんことdoublet氏のブースでは今年は「女子力の高い」?鉱物標本を目指されたとの事で可愛い試験管入りのミニ標本や色鮮やかな鉱物切手が並び、同時に通好みのマニアックなコレクション放出品が並ぶという両極の品揃え。

私もペコスダイヤモンドと前から譲っていただこうか悩んでいた日本式双晶を2点譲っていただきこの時点でほぼ予算終了(笑)そういえばまたもや鉱物切手を買い逃してしまいました。

最初に飛ばしすぎて資金が乏しくなってきたので肝心の蛍石は少し人が引いてから安価な残り物をぽちぽちと拾って歩く形に、Blogのリストで楽しみにしていた長野の蛍石は塊状ながら色合いが幻想的で美しく値段もお手頃、棚に並んだものから一番小さなものを選んで購入、同じブースで平岩の蛍石も入手出来ました。

購入には至らなかったもののそれ以外で目についたのは福島県の宝坂のオパール、奇麗な遊色が見られるものが瓶詰めで並んでいました、価格もこの産地のものとしてはお買い得だったと思います。

運試し用の安価な球顆も置いてあってこちらは大きさに合わせて数百円で購入出来ます。

顔見知りの石友さんが店番をしていた甲府市黒平の水晶を並べていたお店では松茸水晶のミニクラスタと鉄電気石入りの煙水晶を入手、おまけに水晶峠のちび水晶をたくさん頂いてしまいました。

TENKAWA Crystalさんのブースにはおなじみの大分県尾平鉱山蝙蝠坑のマリモ水晶、今年は大振りな群晶を並べていてなかなか壮観。

残念な事に最近産地の坑道の入り口を完全に塞がれてしまったそうなのでこの魅力的な水晶を入手する事は年々難しくなってしまうかもしれません。

コレクターとしてはこの辺りで大きなクラスターを手に入れておくべきかなとも思いましたが、置き場所など考え今回も内包が美しい人差し指くらいの単結晶を購入、この水晶は何個あっても欲しくなってしまいますね。

さて収穫的には大満足ながら資金が尽きかけた状況でこの後新宿ショーヘと向かいます。