奇妙なインクリュージョン
GIA(米国宝石学協会)が発行している“Gems & Gemology”のFall2004号に気になる記事があったので取り上げてみます。
写真は珊瑚状の不思議なインクリュージョンが見られるブラジル産のガーデン水晶のカボッション。
一見マイカやクローライトの中から突き出ている天然の鉱物インクリュージョンの様に見えますが、実はこれ人工的に造られたもの。
ガーデン水晶の底面からドリルで穴を開け、その空間に鉱物の粉末をペースト状にしたものを注入、裏からフェルドスパーや水晶のかけらで蓋をしたものだそうです。
どことなく不自然なので、勘の良い人は人の手が加わったものとすぐに判断が出来ると思いますが、ミネラルフェアの様な場所で「新産出です」なんて言われると騙される可能性が無いとも言えませんね。
宝石にはその石をさらに美しく見せる為の「お化粧」が施されているものも少なくありませんが、ここまで来ると「化粧」や「整形」どころでは無く改造です、もともと美しいガーデン水晶に余計な手を加えて価格を釣り上げようとする浅ましさに嫌悪をすら感じます。
ブラジルで大量に造られているようなので日本にも入ってくるかも。
皆様、努々騙されませぬように。