内包物がみどころ
写真の石はヒマラヤ山脈ガネーシュ・ヒマール産の水晶です。
ガネーシュ・ヒマールは広大なヒマラヤ山脈のうちネパールの北側チベットとの国境に連なる連峰を指します、
標高7,406mの1(Yangra)を最高峰とする全部で7つの峰がそびえ立ち、シバ神の息子で象の頭を持つ神「ガネーシャ」が住まう山として信仰を集めてきた聖地です。
(六峰はネパール、もう一つはチベット国内)
現在ヒマラヤ水晶といって最も良く見かけるのがこの産地の水晶、カテドラル状のずんぐりとしたポイントや緑泥岩入りのニードルポイントが組重なった群晶をミネラルショップでご覧になった方も多いと思います。
この写真の水晶は親指程の大きさでユニークな形状の黒っぽい内包物が含まれているのが特徴。
この内包物の何でしょう?一部が外部に露出しているのでそれだけでも何となく見当はつくのですが、
クローズアップで結晶の形を見ると一目瞭然。
特徴のある板状の六角形の結晶、そうこの内包物はヘマタイト(赤鉄鉱)なのです。
積み重なっているように見える部分は元々成長途上の水晶の晶頭があった場所なのでしょう。
裏面に大きな剥離面があるのが残念ですがですが白銀色のマイカが付着しその反射光のおかげで
内包物が観察しやすい、なかなかユニークな水晶です。