青緑色の風景
Chrysocolla&Malachite with Quartz /MINE LA TURCA Chanaral( Chañaral) CHILE
新宿ショーで見つけた石です。
どういうわけかそのシーズンごとにマイブームというか欲しくなる石の傾向みたいなものがあります、それは石の種類であったり産地であったり。
今回は色、「青緑色」。
写真の石はクリソコラマラカイトの上を水晶がコーティングしているもので、このタイプの研磨石は「ジェム・シリカ」の宝石名で呼ばれています。
石の側面から見るとブルーグリーンのクリソコラマラカイトの層を石英の層が覆いしっかりとコーティングしている様子が良く分かりますね。
クリソコラ(珪孔雀石)とマラカイト(孔雀石)は共に銅を含む鉱物が風化する事により生じる二次鉱物で組成も似ている為*、同時に産出されることが多い鉱物です。
どちらもモース硬度が低く脆い鉱物であるため宝飾素材として使うには人工的に樹脂を浸透させるか、この石の様に天然の石英にコーティングされて硬度が増したものに限られます。
*(クリソコラは(Cu,Al)2H2Si2O5(OH)4·nH2O、マラカイトは Cu2+ 2(CO3)(OH)2 クリソコラはケイ酸Siを含むため珪孔雀石の和名で呼ばれる)
鉱物的な説明はそのくらいにして、実は個人的にこの色から連想する風景があるのです。
ニュージランドのテカポ湖は氷河によって削られた微細な粒子が湖水に混じり鮮やかなブルーグリーンの色彩でいろどられています、その色がこの石の色にそっくり。
湖だけではなく氷河観光に行くと氷河に出来る影の色もこの鮮やかな青緑色なのです。
この石をルーペで覗き込んでいると、あのしんと静まり返った氷河の美しい風景を思い出します。