KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

天から落ちてくる神

先日購入した石を整理しようと標本箱を整理しています。

ひさしぶりにテクタイト、リビアングラス、モルダバイトなどのその生成に隕石が関わっている石達を取り出して、しみじみと眺めていたら先月末に山程の大きさの小惑星が地球のすぐ脇をすり抜けていった事を思い出しました。


すり抜けていった小惑星とは4179 トータティス(Toutatis)、2個に別れたサツマイモの様な形のこの小惑星は1989年に発見された時、地球の軌道近辺を通過するその特異な軌道から地球に激突する事も有るのではないかと懸念された天体だったのです。

今回2004/9/28(日本時間)の接近は約155万キロ*1と、この大きさの天体としては今世紀で最も接近した例(12世紀以来最大)となります。

今回の接近後もNASAでは引き続き”地球に害をおよぼす可能性”のある天体*2として観測を続ける一方最接近時には最大限の観測データーを集める計画であるとの事です。

トータティスのようなタイプの小惑星は惑星形成時の残存物と見られ惑星形成の過程を示すデーターが保存されている可能性がある為、今回の最接近で採取されたデーターからの今後の研究成果が期待されています。


関連記事

■Large Asteroid Zooms Safely Past Earth(NASA)

*1:地球ー月間の約4倍、人間の尺度からみれば遥か遠くだが天文的尺度から見ればすれすれと言える

*2:とはいっても、今後2056年まで トータティスの接近は無く、地球に落ちてくる可能性は極めて低い