その後のパライバトルマリン
Paraiba Tourmaline(Elbaite)/スターサイズメレー
以前当ブログでも宝石学会でパライバトルマリンの名称が問題になった件について取り上げましたが、漸く宝飾業界でも動きが出て来ました。
この問題はブラジルで発見されたネオンブルーの美しいエルバイトトルマリンを鉱山のあるパライバ州から名前を取って「パライバトルマリン」と呼んでいたものが、近年ブラジル以外のアフリカ(ナイジェリア及びモザンピーク)からも同タイプのものが発見され初期のブラジルの鉱山が枯渇した事もあり市場に異なる産地のものが本来は産地を示す「パライバ」の呼称で流通している事を問題視したものです。(詳しい経緯はこちらをご覧下さい )
今回JJAの情報開示によると、今後国内の各鑑別機関の分析レポート(鑑別書)には「パライバトルマリン」に関し下記のような記載をする事になったようです。
(1)「当初産出された地名に因んで"パライバトルマリン"と呼ばれています。但し、産地を特定するものではありません」のコメントを入れること。
(2)銅及びマンガンの含有量とその測定機器名を明記する。
平たく言うとブラジルで採れようがアフリカで採れようが銅とマンガンの含有によってブルー~グリーンの美しい色を発色しているエルバイトは全部「パライバ」と呼びますよ、産地の事じゃ無いから間違えないでね!と云う事ですね。
これほど一般化した名称を今更変えても混乱するばかりですし、似たようなタイプの石が産地によって名前が変わるのもおかしな事なので仕方の無い事だとは思いますが産地という枠組みが無くなった事で従来の基準ではパライバとはとても呼べない様な宝石としては低品質の物迄「パライバ」のブランド名で価格をつり上げられないかが心配です。
Paraiba Tourmaline(Elbite)/Estado do Rio Grande do Norte/BRAZIL