東京国際ミネラルフェア収穫品ーモロッコの黄色イチゴ
Goethite inclusion in Quartz/MOROCCO
あちらこちらのサイトを覗いては今開催中のミネラルフェアのレポを読んでまわっているのですが、人によって感想が違うモノですねー。
私は何が売りたいんだか解らなかった例年よりは鉱物フェアらしくなったと思ったのですが、未だ々「お守り石系」が多かったと云う感想の方も多く居らっしゃいますね。
自分は原石派で磨き物は余り見ない人間なので、鉱物原石が多かったと思ってるだけかも?
つくづく自分の主観的記憶なんて当てになりません(^^;A
さて、写真の石はそのミネラルフェアの収穫の一つです
一見、表面に斑のある黄水晶の様に見える石でラベルもCitrineと書いてあるのですが、良ーく見ると内部から外側へ向けて放射状に含まれている内包物の色で黄色に見えているのが解ります。
こういうのはシトリンとは呼ばないぞ、モロッコのお兄さん(苦笑)
インンクリュージョンタイプの水晶は表面を磨かれてしまう事が多いのですが、この石は未研摩のナチュラルな状態のもの「野口さん」でお釣りが来るという財布に優しい価格もあってちょっと嬉しい掘り出し物です。
中をルーペで見ると細かい毛状の鉱物結晶がススキの様な形で表面に向かって拡がり水晶表面で板状に結晶しているのが観察できます。
この内包物は何でしょう?ラベルには針鉄鉱(Goethite)とあります、文豪ゲーテ(Goethe)の名前を戴いたこの鉱物は鉄錆にも含まれるもっとも身近な鉄鉱物の一つです(表面の板状結晶はレピドクロサイトかもしれません)
クラスターから外された痕跡が有る半面から見ると放射状の模様が「いちご」の断面そっくりです、そう言えば全体にカザフスタンで採れるストロベリークオーツを黄色くした感じ。
針鉄鉱の色は錆に見られる各色(茶, 赤褐色, 黄褐色, 黄)なのでこのような色の「いちご」があっても不思議では無いのかもしれません。
モロッコの砂漠で生まれた不思議いちご、このタイプのクラスターも一度見てみたいものです。