浮かび上がる色
たまにコレクションの整理をしていると「これ何だっけ」と思う石が有ります。
写真の石もそんな中の一つ、メモ書きに自分の字で産地と「トルマリン+水晶」とだけ書いてあります。
しかし、なんとも地味な印象の石、トルマリンが大胆に水晶ポイントに刺さっているのが良くて選んだのだろうか?しげしげと眺めていたら、あれこの石?
このトルマリン「インディゴライト」じゃありませんか。
各色が揃うカラーパレットの様なトルマリンの中でも二価の鉄イオンにより深いブルーを示すものを「インディゴライト(Indicolite)」と呼びます、比較的希少な部類とされ色鮮やかなものは磨かれてジェムストーンとして珍重されます。
この石はブルーが濃すぎて一見ショールの様、とても宝石にはなりませんが眺めているうちに昔藍染めを体験した時に見た、藍の深いブルーを思い出しました。
殆ど黒としか見えない染液の中に布を浸し、頃合を見て引き揚げて空気に触れさせると徐々に鮮やかな藍色が浮かび上がってきます、この色はまさにあの感じ。
「うん、悪く無い」新しいものばかり追わずたまには自分の手持ちの石を見直してみるのも良いものですね。