KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

浮かび上がる色

トルマリン入り水晶

たまにコレクションの整理をしていると「これ何だっけ」と思う石が有ります。

写真の石もそんな中の一つ、メモ書きに自分の字で産地と「トルマリン+水晶」とだけ書いてあります。

しかし、なんとも地味な印象の石、トルマリンが大胆に水晶ポイントに刺さっているのが良くて選んだのだろうか?しげしげと眺めていたら、あれこの石?

インディゴトルマリン

このトルマリン「インディゴライト」じゃありませんか。

各色が揃うカラーパレットの様なトルマリンの中でも二価の鉄イオンにより深いブルーを示すものを「インディゴライト(Indicolite)」と呼びます、比較的希少な部類とされ色鮮やかなものは磨かれてジェムストーンとして珍重されます。

この石はブルーが濃すぎて一見ショールの様、とても宝石にはなりませんが眺めているうちに昔藍染めを体験した時に見た、藍の深いブルーを思い出しました。

殆ど黒としか見えない染液の中に布を浸し、頃合を見て引き揚げて空気に触れさせると徐々に鮮やかな藍色が浮かび上がってきます、この色はまさにあの感じ。

「うん、悪く無い」新しいものばかり追わずたまには自分の手持ちの石を見直してみるのも良いものですね。