池袋ショーで見つけた石その1
私の収集ポリシーは結晶の形>色>大きさなので普段はいわゆる「大物」は標的外
サムネイルを中心にいつもちまっとしたのを集めています。
さてこの写真の石はある意味例外、これは大きさというか存在感に惹かれて持ち帰りました。
全体の大きさは子供の拳大、何が大きいかというと結晶の大きさ、一番大きな結晶で45mm程有ります。
下の写真は大きさの比較写真、となりに写っているベアブリックが7cmの大きさです。
石を見慣れた人なら菱形十二面体の結晶の形でピンとくると思いますが、これはガーネットの一種アンドラダイト(灰鉄柘榴石-Andradite)のクラスターです、私はこの手の幾何学形体に弱いのです、ピシッとしたフォルムが好き。
産地はロシアのダルネゴルスクの南西、沿海地方のシネレチェンスクのスカルン鉱床です。
アンドラダイトはこの地方の名産ですが、こんなに大きな結晶は見た記憶がなかったので思わず手に取ってしまいました
アンドラダイトはスカルン鉱床内に形成されるカルシウム(灰=カルシウムの事)と鉄を含んだガーネットで、殆どが黒か褐色の結晶となります、変種に鉄の一部がチタンに置き換わった漆黒のメラナイトと呼ばれるものもあります。
この群晶は一見黒に見えますがよく見るとコーヒーのような濃い茶褐色で残念ながらメラナイトではありません、ちょっと惜しい。
虹色に輝く日本の天川のレインボーガーネットもこのアンドラダイトの仲間、これは未だ分かりますが同じロシアで採れる美しいグリーンのデマントイドもこのアンドラダイトの仲間だというから不思議な気がします。
ガーネットは時々驚くほど大きな結晶を作りますが、この結晶もよくまぁここまで育ったもの、この大きさまで育つのにどれくらい時間がかかったのでしょう。
成長の記録がくっきりと菱面の間のn面に確認できます。
Andradite
Sinerechenskoe skarn occurrence/ Blue River, Kavalerovo, Dal'negorsk, Primorskiy Kray, Far-Eastern Region, Russia