ロシアングリーン
池袋ショーでみつけた水晶です。
ケベック州の名産品フェアリーストーンを並べているお店が有ったので眺めていたら、同じ台の上に何やら黒っぽい水晶が並べられているのを見つけました、そばに見慣れない「プラジム水晶」なる名前が表示されています。
艶のあるキャンドル風の形がダルネゴルスクの石っぽいなと思っていると、お店の外人さんいわく「ソレ、アクチノライト」ああこの色は内包しているアクチノライトによるものなのか、良く見ると黒ではなく濃い緑色である事が解ります。
アクチノライト(緑閃石)は石綿の一種、軟玉として知られるネフライトのあのまったりとしたお抹茶色の成因はこの鉱物から来ています。
「プラジムって何の事?」「アー…ヨクワカラナイ、タブントレタ場所」
もう一人のお店の外人さんを指差して「彼ガコウイウノ好キミタイ。」どうもこのお兄さんは語学力を買われて手伝いに来ているだけの様な…。
買ってくれたらおまけにさっき見ていたフェアリーストーンをつけてくれるというので写真の小振りな単結晶を一つ購入してまいりました。
さて家に帰って調べてみると「Prazym(プラジム)or Prazem(プラゼム)」は地名ではなくこの水晶の色を表したものらしいのです、ギリシア語の「緑= πράσινος (プラシノス)』が語源とのこと、おそらくもともと有名なギリシアの緑水晶が「Prazym Quartz」と呼ばれていてそれが緑水晶の代名詞として他産地のものもそう呼んだのではないかと推測します。
産地はやはりロシア沿海地方のダルネゴルスクが正解の様ですね、内包物に関してはHedenbergite(灰鉄輝石)だという説もあります、
灰鉄輝石は透輝石(Diopside)のマグネシウムが鉄に置き換わったもの、水晶の内包物は専門家でも判断が難しいと言われていますので断言は出来ませんが、見る限りではこの水晶の色はこちらの方に近く感じられます。
さて、2011年もいよいよ残す所数日となりました、この記事が本年最後の更新となります。
マイペース更新の当Blogにお立ち寄り下さった方々、Twitterでおつきあい下さった方々に心から感謝を。
来年も宜しくお願い致します、良いお年を。