桜の化石?
漸く気候も安定して来ました、外に出れば桜が満開。
「花に嵐」の喩えのように先日の強風で既に散ってしまったかと思っていましたが未だ美しい姿で目を楽しませてくれています。
桜の名前は本来「サ(山神または穀物神)のクラ(座)」を意味すると言う説が有ります、古人が神の依り代である桜の開花でその年の吉凶を占い供物を持って木の下に集って恵みの神の訪れを祝った、それが花見の起源だというのです。
文明の発達した現在でも桜の開花予想は国家の一大事(笑)、その予想の為に気象庁がスーパーコンピュターを導入したなんて笑い話があるのですから、この花に恵みの神の姿を重ねた古人のDNAは今も我々に確実に受け継がれているようです。
さて今回はその桜に因んだ石を紹介したいと思います。
写真の石は桜石、小さな石の断面に小さな桜の花があらわれるこの石は日本の京都府亀岡市が代表産地、小さな石ですが「桜の化石」と言われたら信じてしまいたくなるような堪らない可愛らしさがあります。
実はこの石アイオライト(菫青石)が地熱に変成して雲母と化したもの、鉱物店では写真のように金太郎アメのような形状の分離結晶で見かける事の多い石です。
良く見るとこの石の桜の花弁は5枚では無く6枚、実は菫青石の三連双晶を形作る事に依り6角形の花びらの形を作っているのです。
現在天然記念物に指定され産地での採掘は不可能ですが、この桜石には亀岡を訪れた旅の行者がこの石を邪気に向けて投げて鬼を退治したという伝説があり雷除けのお守りにもなるそうです、また産地に天満宮がある事から天神様「菅原道真」所縁の伝説もあります。
京都、鬼伝説、桜と日本的要素満載の「桜石」は海外の石コレクターに紹介したい国産鉱物No,1ですね(^_^)