謎の「まっくろくろすけ」
Quartz/Corinto Mnas Gerais/BRAZIL
鉱物蒐集の世界では良く「水晶に始まり水晶に終わる」と言う人が居ます。
水晶は最も身近な鉱物でありながら種類が多く、飽きの来ない美しさとユニークさを兼ね備えた鉱物です
嵌まると大変、水晶のヴァリエーションを総て集め切ろうとしたら一生あっても足りないでしょう
石仲間の中では「水晶迷宮」なんて云う方もいるぐらいです。
水晶の魅力の一つに内包物の種類の豊富さがあります、人気のルチルやアホーアイト小さな景色を造り出す泥岩、真偽の程は怪しいけれどダイヤモンド入りのものも存在すると云う噂まであります。
しかし水晶内の内包物の鉱物特定は非常に難しく、新たに見つかったものの中には「正体不明」のものもあります。
写真の石もそんな「正体不明」の内包物入りのブラジル産水晶、新宿ショーで見つけたものです。
白い水晶のファセット面に何やらインクのシミというか和紙に墨を落として滲ませた模様のようなものが?
黒い内包物と云えばマンガン系やカーボナイトがポピュラーですがこの内包物ルーペで見ると毛状の結晶が拡がっているのが分かります、ぱっとみて連想するのは「毛鉱(ブーランジェ鉱)」ですが、う~んちょっと違うのかな?
何ですかこれ?石屋さんに質問すると「分かりません。」
このタイプは新しく掘り出されたばかりで未だ内包物の分析が出来ていないのだそうです、こうなると今後の研究に期待するほかありません。
でもこの模様面白いですよね、お手頃価格だし手許でじっくり見たいので我が家にお迎えする事に。
石屋さん「じゃぁ産地ラベルにはわかりやすいように、仮の名前をつけて書いておきます。」
ラベルをみると「ススワタリ水晶」とありました。
ススワタリって何の事でしたっけ?
「知りませんか?隣のトトロ」
あぁ、あれですね
「まっくろくろすけ出ておいで~!!」
…な~るほど(笑)