KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

Bloodshot Iolite

ブラッドショットアイオライト

Bloodshot Iolite(Cordierite)/Srilanka


これもIMAGE2006での収穫品です。

決して高価な石ではないのですが、何故か余り見掛けません。

写真では黒っぽく見えますが日に透かすとアイオライトの特徴である菫色が確認出来ます。

この石にBlood shot(充血)という名前が付けられているのは、写真の様に赤みを帯びたアベンチュレッセンスが見られる為です。

別名アイオライト・サンストーン、漢名は「血光菫青石」

この「充血」の正体はアイオライト内部に内包された赤鉄鉱(hematite)や針鉄鉱(Goethite)の影響、この特徴は主にスリランカ産の石に見られるそうです。

Bloodshotの赤味の正体にレピドクロサイトを挙げているサイトが有り私もそう思っていたのですが、実際に内包の結晶を観察するとやはり赤鉄鉱が正解である様です。

インクリュージョンのアップ

BloodShot Ioliteクローズアップ


実は似たタイプの石をもう一つ持っているのですが、同じ様に赤鉄鉱のインクリュージョンから来るアベンチュレッセンスは見られるものの上の石とは違い血の様な赤みは見られません。

ヘマタイトインクリュージョンアイオライト

Ioliteのペンダント


もしかしたら内包される結晶の厚みが色に関係しているのかもしれません、下の写真は両方の石を透過光で撮ったものです。

透過光による撮影

このタイプの石は含まれるインクリュージョンの量と種類によって外見が数種類に分かれる様です。

写真の二つのタイプ以外に内包物が多く全体が赤みがかって見えるものやキャッツアイ効果が見られるものもあります。