KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

ラズベリル♪

pezzottaite


Pezzottaite ペツォッタ石(ラズベリル)

AMBATOVITA near mandrosonoro CENTRAL MADAGASCAR


写真の石は吹けば飛びそうなペツォッタイトの小さな分離結晶、小さいながら結晶の特徴が良く出ているものを入手できた満足の一品です(^_^)

ペツォッタイト(Pezzottaite)は2003年にマダガスカルの晶洞で発見され今世紀初の新鉱物に認定されて話題になった石です、名前はマダガスカルの鉱物学研究に功績を残したDr.Pezzottaの名前から。

晶系は六方晶系(三方晶系とする説も在り)ベリーを連想させる美味しそうなピンクはセシウムの影響によるものです。

横から見ると六角の板状の頭から徐々にしりすぼみになっていく独特の構造が解ります、見れば見る程ボルトにそっくり、なぜこんな形になるのか不思議です。


pezzottaiteの裏


以前に別所で入手したもう一つの結晶は、上の結晶よりも更に小さく細長くこのボルト状の結晶に六角柱の「サヤ」をかぶせた様なこれまた不思議な形状をしていました。

WEBで画像検索すると小型の石はこのように頭部が寸胴で先しぼみに比較的大型の結晶は板を重ねた様な形状になるようです。

ペツォッタイトは発見されて直ぐに「ラズベリル」のコマーシャルネームで宝石として売り出されました。

ラズベリーピンクの宝石は珍しいので人気が出るかなと思ったのですが、現状の印象では残念ながら宝石としては今一つ盛り上がらない感じです。

色石屋さんに質問すると話題性はあっても産出量が少なくマーケットを形成出来なかったのが原因とのこと、値段の割に可愛らしい色である事、内包物が多く高品質なものが少ないのもマイナスポイントであるそうです。。

日本人は世界でも有数の稀少宝石好きですが稀少石が一般に認知されるにはそれなりのプロモーションが必要です、それに見合うだけの供給量が保証されていないと費用はかけられない、稀少すぎてもダメな訳ですね。

マダガスカルの方は枯渇気味の様ですが最近ミャンマーでペツォッタイトの新しい晶洞がみつかったそうです。

もっと流通量が増えて価格が下がれば新しいラズベリーピンク系の石材として宝石としても一気に人気に火がつくかもしれません。

でも原石の形状が可愛い石ですから下手に磨かず素のままで鑑賞するのが一番だと思うのは私だけでしょうか。

因に手許の資料によると石言葉は「包容力、許容」だそうです。

こういう言葉って誰が考えるのか気になりますが、確かに現在一番必要とされている言葉なのかも知れませんね。