KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

飯田橋ーミネラルマーケット2013

今年は土曜日に飯田橋のミネラルマーケットから新宿の東京国際ミネラルフェアへと梯子する形でミネラルショーを覗いてまいりました。

この日は大好きな漫画家五十嵐大介先生のサイン会も重なっているので大忙し、こちらは会場が紀伊国屋書店なのでサインを頂いてからどちらかの会場にとんぼ返りするつもりでいたのですが…。

先ずは飯田橋のミネラルマーケット、前述の様にコレクターのフリーマーケットなので売る側買う側共に石マニアが多く他の催事とはひと味違う濃密さがあります。

さて会場に着くと既に人いきれで熱気ムンムン、まずはDoublet先生のお店を探してドイツの単体フッ素を含む黒い蛍石「アントゾナイト」とチェリヤビンスク隕石を譲って頂きました。(twitter猫耳を着けていらっしゃると呟かれていたのでそれを目印に探したのですがだぶさん着けてらっしゃらなかった(笑))

もう一つのお目当てはミネラルマーケット倉庫で目をつけていた福島の蛍石これもあっさりみつかりました。

この催しの良いところは普段なかなか目にする機会が無い国産の稀少石を見られる事で、この日も美しい放射状の木村石や白い結晶の千葉石などが出品されていました。

見つけて思わず心躍ったのは八丈島の赤い灰長石、これずっと実物を見てみたかった石なのです、しかもとてもお財布に優しい金額で今回一番嬉しい捕獲品。

大人気だったのは天河クリスタルさんのマリモ水晶、同じ産地のマリモ水晶は既に持っていますが今回出ていたのは透明度の高い水晶に丸い内包物がクッキリ浮き上がって綺麗なものでした、うっとり見ている間にどんどんお見分けトレーの上に乗せられて行きます、出遅れた私も何とか一つだけ確保して購入しました。

まりも水晶

その近くのブースに並んでいた長野の竜王の水晶も魅力的でした、こちらは一見荒川鉱山の水晶にも似たカテドラル型のクラスターで表面に土や鉄分が付着した状態はまさに「採って出し」

その水晶が見たくて並んでいるうちに結晶形に惹かれてつい手に取ってしまったのは秩父のベスプ石(Vesuvianite)ころころとした大きめの結晶は言われなければ石榴石と間違えてしまいそうです。(下写真)

ベスブ石

今回の飯田橋ショーは会場の熱気に浮かされ居れば居るだけ欲しい物が見つかる感じで、このままでは新宿の予算が残らないし時間もなくなるという事で一旦離脱。

気がつけば書籍も素敵なイラストも鉱物切手も長野の水晶も買い損ねて出て来てしまいました、もう一度戻りたかったなぁ。。

今週末はミネラルフェア

さて、今週末から夏の新宿ショーこと東京国際ミネラルフェアが開幕、土曜日には飯田橋ミネラルマーケットも開催されます。

世界中から鉱物・化石関連の業者が集まる国際ミネラルフェア

今年は馴染みのアメリカの業者さんが蛍石(Fluorite)に力を入れた品揃えで来るとの事なので、ここ数年来不作であった蛍石に期待出来そうです。

因みに最近蛍石がやたらと価格高騰しているのはツーソンショーのカタログで特集された影響で欧米で人気が再燃、中国でも人気が高くなったからだそうです。

それに加えてかつての人気産地の産出が減った事が重なってしまったのかも知れませんね。

中国産蛍石の代表産地といえば湖南省の瑶崗仙(中国)ですが最近良い石の産出が減りかつての名品がやたらと高値になっています、それに変わる様に最近は内蒙古広東省あたりから面白い蛍石が出て来ているので今後はそちらに期待したいところ。

また是非今年探したいのは先頃ロシアに落下したチェリャビンスク隕石、新宿ショーには複数の隕石取り扱い業者が出展しているので出会える可能性大、手頃な価格の欠片があったらコレクションに加えたいところです。

一方5/8飯田橋で開催されるミネラルマーケットは国産鉱物を中心にした個人コレクター有志によるフリーマーケット

こちらは通好みのセレクションで、コレクターの自身が採掘したものや所蔵品からの放出品などこの催しならではの掘り出し物がみつかります。

それぞれ特色のある催しなので今から楽しみです。

さて、どんな石に出会えるかは行ってみなくては分からない、期待半分お財布の心配も半分で今週末を迎えます。

国際宝飾展2013

1/23~26にビッグサイトで開催されていた国際宝飾展に行ってまいりました。

私が行った2日目は、ジュエリーベストドレッサー賞の受賞者の来展狙いかそこそこの客入りでしたが他の日は厳しいものがあったという声をちらほら…。

今回ルビーを出している業者が多く、最高級とされるピジョンブラッドを謳ったものも数カ所に並んでいました。

イヤーストーンでも無いのに何故と不思議だったのですが、もしかしたら赤い石を好む中国からの顧客を狙っての事かも知れません。

しかし期待もむなしく、大量のお買い物をして行く中国からの団体客が尖閣問題で減ってしまったのは大きな痛手であった様です。

それにしてもケース等の宝飾関連商品の出展の少なさが寂しい、宝飾の売上げ現象の影響をもろに受けてしまった結果でしょうか。

と何だかネガティヴな事ばかり書いてしまいましたが、一度撤退した大手企業のブースも再出展し、一時期に比べると少しずつでも宝飾展らしさを取り戻しつつあるのは嬉しかったです。

東京ミネラルショー2012 鉱物編

パパゴ石入り水晶


さてミネラルショーレポート続きは鉱物編です。

先ず向かったのは第2会場に出展してるアフリカ鉱物のお店、ここは毎年手頃な価格のアホアイト入り水晶を持って来てくれるのですが中に数点パパゴアイト入り水晶が混じっているのです。

覗いてみると一点それらしき物が…

毎年出遅れで買い逃していたのですが今回やっと入手に成功、財布にも優しいお値段でした。

お目当ての石は確保したので再びメイン会場へ。

メイン会場で先ず見つけたのは小さなブルーアパタイト結晶がついている曹長石の標本、私が購入したのはサムネイルサイズの物ですが一緒に高さ30cm以上ありそうな大きな標本も飾られていました。


ブルーアパタイト

いつも覗いているロシアのお店ではシデライト付きの水晶と磁硫鉄鉱仮晶上に結晶した黄鉄鉱の標本を購入、私的には目新しかったのですが会場でお会いしたKuroさんによると去年も出ていて石仲間の間で評判だったものだそう、そういえば去年は時間が無くて会場をろくに回れなかったんだっけ。

一年遅れでも手に入って良かった、一度逃したらその後縁が巡ってこない石もあるのです。

購入には至りませんでしたがちょっと珍しいかなと思ったのはメキシコはチワワ産のストロベリークォーツ、カザフスタンの物はよく見ますがこの産地の物は久しぶりに見ました。

模様石関係では三葉虫クラブさんのジャスパーのコレクションが素敵、カザフスタンのお店のデンドリックアゲートもなかなか綺麗な模様のものがありました。

個人的にはそれなりに収穫の有った今回のショーですが、振り返ってみれば去年の内蒙古フィーバーの様な目新しい産地や新産の鉱物のお目見えは無かった様な…。

私が力を入れて集めているのは蛍石なのですが今回は残念ながらなかなか良い物に出会えず購入したのは1点のみ。

ダルネゴルスクの無色もインドの球状もイリノイも出ては居たのですが、値段と品質の折り合い的に惹かれる物が見つかりませんでした。

とは言っても私が会場を見て回ったのは一日だけ、見落としている物が沢山あるかも知れません。

東京ミネラルショー2012 化石編

もう一週間以上も経ってしまいましたが、毎年恒例の石の祭典「東京ミネラルショー」のれぽーとお届けします。

今年は珍しく初日に休みが取れたので7日のお昼前頃から参加しました、私は行列に並ぶのが苦手なのでわざと開始時間から遅らせて行ったのですが…会場入り口につくと長蛇の列(^^;

窓口への誘導など主催者側も努力している様ですが、前売りを売るとか事前登録とか混雑を何とか根本的に解決する良い方法はないものでしょうか。

会場に入ると表の行列から想像した程には混み合っているわけでもなく、見て回るにはちょうど良い位の熱気です。

今回は化石メインで見て歩く予定だったので、先ずはメイン会場である2階の化石の業者さんをざっと回る事に。

化石好きといっても私はあくまでも初心者レベル、特に珍しいものが欲しいわけではなく、太古に生きた生物を偲ぶ欠片が手元に有ったら楽しいくらいのスタンスなので気軽に手に入る値段のものを探して回ります。

先ずロシアの三葉虫屋さんに前から買おうと思っていたアサフス・コワレフスキーという目の飛び出た三葉虫の化石を買いに行ったのですが、ここでハプニングが発生。

私好みの小振りで姿勢の真っすぐな虫を見つけたのでお店の方に梱包をお願いしたら、何とお店の人が標本を落としてしまったのです、標本は大破し私は頭の中真っ白。

お店のご好意で同じアサフスのより大きい標本を最初に選んだ標本の価格で譲って頂く事になりました、替わりの標本は最初に選んだ物より遥かに立派なもので落ち着いてから考えると何だか申し訳ない様なお話でした。

誠実な対応をしていただけましたのでお礼に来年も同じお店で何か購入しようと思います,次はエンロールしたアサフスが欲しいな。

あちらこちらで見かけたのは2000円程で買える海老の化石、ベージュの母岩にペッタンコの海老が埋まってる様は海老煎餅そっくり(笑)、珍しいなと思ったのはイタリアの業者さんに有ったレバノンのタコの化石、可愛らしい小さなタコのシルエットが綺麗に残っていました。

さすがにこちらは手が出せるお値段ではなく、ありがたく鑑賞だけさせて頂きました(笑)

ドイツのお店のカニ化石も面白かった、生前の姿のまま綺麗に脚が揃ったものも有りましたが、あれは掘り出して後から組み立てたるのか、それともあの形で掘り出したのかな?

脚の残っていない物なら20,000円以下で手に入る物もありました。

同じお店にドングリの様な歯の化石が並んでいて、それが何なのか不思議だったのですが確認したらグロビデンスというモササウルスの歯でした。

如何にも牙という標本は良く見るのですがあんな形のものもあるのですね。

三葉虫はそれこそピンからキリまでカンブリア紀のアグノスタスらしき小さな虫が入った石が2個で500円なんていうのが有るかと思えば、高級車一台が軽く買える値段の希少種の見事な標本がさりげなく展示されていたり。

見事にフライングフィニッシュで仕上げられた刺だらけのデボン期の三葉虫やエディアカラ生物の化石など私の様な素人にはなかなか手が出せない見事な標本を会場で見て回るのもショーの楽しみの一つです。

化石ではありませんが第2会場に出展していた現世動物の骨格標本を売るお店も興味を惹かれました、非常に綺麗に仕上げられている標本ばかりでオブジェとして飾っておきたくなるものばかり、さすがに購入には至りませんでしたが生き物の骨って実に美しい造形ですね。

今回第2会場の特別展示の大型化石は数が少なくてちょっとがっかりでした。

目玉はペラゴルニス・チレンシスという大型鳥類の全身骨格標本、しかし螺旋好きの私はその隣に有った巨大アンモナイトの標本に釘付けにwこれ何がどうなっているのかさっぱり分かりません。

巨大アンモナイト

さてレポートは鉱物編へと続きますが、うちに偶然くる事になったコワレフスキー君の写真を。

たたみますので虫が苦手な人は見ないでね。

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IMAGE2012

昨日から開催されているIMAGE2012国際ミネラルアート&ジェム展を初日に覗いて来ました。

こちらは6月の新宿や池袋のミネラルショーとは性格が異なり、加工石中心のショーなので例年パスする事も多いのですが今年は久しぶりに出かけてみる事にしました。

会場に入ると平日のせいか人の入りがほどほどでとても見やすい、主催者はもっと入って欲しいのでしょうがユーザーとしてはこれくらいの混み方の方が買い物をし易いです。

ショーの性質上、アクセサリーや置物ビーズ等が多く原石系のお店の出展は多く有りません。

目についたのはアンモライトを扱う御店、国内外から数店出展しており値段もかなりこなれて来た印象、コレクション用の母岩付きの物なら数千円から綺麗な物が選べます。

糸魚川翡翠の御店も数店出展、店頭に出ているのはうっすらと緑が入った安価な勾玉やビーズが中心ですが、あるお店で非常に綺麗な原石を見せて頂きました。

裏から当てたライトで透過した緑の鮮やかな事!このクラスの物は滅多出ないとの事、子供の握り拳程の原石でしたが一体お幾らくらいするものやら。

ざっと見た限りでは特に目新しいものはありませんでしたが、ブラジルのダイヤモンドを含む礫岩を扱っているお店がありました。

もう一つの話題は会場で偶然お会い出来た虚空座標のKuroさんにご紹介いただいた緑のカイヤナイト、色はモルダバイトの様な渋い緑ですが形はまぎれも無くカイヤナイト、これはなかなか面白い石です、表面に油が塗られているのが残念ですが私も一つ入手しました。

Kuroさんにロシレムの紹介者デビッド・ガイガーが出展していると教えて頂いたのでブースを覗いてみると、

磨りガラス状の歪なアメシストポイントを沢山並べています、一体なんだろうと思っていたらツーソンでお披露目された「オーラライト23」と呼ばれるカナダ産のパワーストーンとのこと。

ファントムが層状に積み重なった構造が特徴のアメシストとの事ですが、残念ながら私にはありがたみが今ひとつ分からず…人気があるのかな?(^^;

他には先日このBlogで紹介した瑪瑙化した貝化石に良く似たものを売っているお店がありラベルを見てみるとこちらはサハラ産、大きさは私が持っているインド産より一回り小さく価格は数倍。

(こちらは穴を開けてペントップに加工出来る様になっていました。)

うっかり2階会場を忘れていたので回ったのは閉会ぎりぎりになってから。

お買い得かなと思ったのは中国鉱物を扱うお店、なかなか立派な蛍石やカルサイトが2000円均一で出ていました、別のお店に白い玉入り(クリストバライト?)入りアメシストなどが置いてありました。

探せば掘り出し物があったかも?これから行く方は忘れずに覗いてみる事をお薦めします。

さて今回閉会ぎりぎりまで悩んで購入したのがこのルース、ルチル入りのクンツァイトです。

産地はブラジル/ミナスジェライス。

ちょっとクールなピンク色と金色のルチルの色の組み合わせがとても綺麗。

Rutilatedkunzite

RutilatedKunzite/BRAZIL

太古の記憶

shellfossil

さて久々の(本当に久々です(^^;;申し訳ありません)更新です。

写真は今年のJJFで入手したインド産の貝の化石、見た所、形はイモ貝に似ています一見普通の貝化石に見ますが裏返してみると…



shellagazted

Shell, Agatized Fossil betul Madhya Pradesh INDIA

何と内部は見事な晶洞(ジオード)になっています。

この貝は約1000万年前の物、中央インドMadhya Pradesh州で採れたものだそうです、太古にインド亜大陸が未だ海の底であった頃を偲ばせます。

長い時間を経て外側は瑪瑙化し内部には玉随が結晶化していったのでしょう。

どこかで似た様な物を見た記憶があったのですが山田英春氏の「不思議で美しい石の図鑑」の中に同様の貝化石をすっぱりと切断した物が掲載されていました。

この貝化石フランスのショーに持っていったところ大人気で全て売り切れてしまったとの事、日本ではどうだったのでしょうか?最終日にじっくり選べる程残っていたという事は…

JJFより新宿や池袋のミネラルショーに出した方が話題になりそうですね。