KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

池袋ミネラルショーでの収穫1国産フローライト


Fluorite/新潟県東蒲原郡三川村五十島鉱山産/日本


池袋のと東京ミネラルショーでの収穫品、今回のメインはこの石。

方解石と苦灰石と見られる母岩の中に優しい緑色の蛍石が裏表に入った国産の蛍石です。

海外産の華やかな蛍石と比べると地味な印象ですが、淡い色合いと優しい雰囲気が何とも国産らしい奥ゆかしい雰囲気を醸し出しています。


蛍石は世界中で採れるポピュラーな鉱物で勿論日本でも産出されます。

日本での蛍石の産地は西日本に多く国内で一番有名な産地は岐阜の平岩鉱山ですが、かつて新潟でも採掘されていた事をこの石の事を調べていて初めて知りました。

新潟県三川村には三川鉱山や持倉鉱山などが有り(両鉱山共に閉山)江戸時代から銅を中心に金、銀、銅、亜鉛、硫化鉄が採掘されていた場所です。

十島鉱山は三井系の五十島鉱業が持倉鉱山を買収し五十島鉱山の名で螢石を主目的に採掘した鉱山です、昭和39年に閉山される迄に16,339tの螢石が産出されたそうです。

採掘量の割に目にする機会が少ないのは蛍石は金属の精錬やフッ素の原料、レンズの原料等に使用されるので採掘された蛍石のほとんどが工業用に使用されてしまった為でしょう。

また国産の蛍石が余り流通していないのは、上記の理由の他に現在殆どの鉱山が閉山されてしまった事、見た目が地味なので流通に乗りにくいなどの理由が挙げられそうです。

実は採掘されないだけで未だ鉱山自体には蛍石が沢山眠っているのかもしれませんね。

WEBで持倉鉱山の跡地などの写真を見ると、なかなか風情のある廃墟で一度は螢石採取に訪れてみたいと思わされます。


手の上に乗せたグリーンの蛍石を眺めていると、最盛期には200人以上の鉱夫が働いていたという三川村の鉱山の賑わいが伝わってくる様です。



参考LINK

■ミックンのつぶやき

各地の鉱山跡の来訪記を書かれています。

■JAF7FYGのページ

日本の鉱山・鉱物産地情報のページがあります。