KAMMENNYI TSVETOKー棗猫の標本箱

"KAMMENNYI TSVETOK(カーミニツヴィートク)"は鉱物蒐集に関する個人的な覚え書きのBlogですFC2より引っ越しました。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました。 *当サイトの管理人は著作権を放棄しておりません、文章及び画像の無断転載はご遠慮下さい。

謎のアゼツライト

アゼツライト水晶

Quartz Crystal Sphere(as know as New Azeztulite)/Vermont/U.S.A


最近何かと話題のアゼツライト、実は小さなスフィアだけれど持っているのだー(爆笑)

CEDARさんの掲示板を通じて、この石の正体が水晶で有る事は知っていたのですが好奇心が強いものだから「実は流通している物の中にはフェナサイトも混じってるんじゃ?」「何か面白い鑑別結果がでるかも」とかなり不純な動機で手に入れたのです。

鑑別は成分を調べるとなると石より高額になるので断念しましたが、屈折率だけは計ってみました、結果はやはり水晶系(そりゃそうですよね。)

Azeztulite(アゼツライト)とは、米国ノースキャロライナ州の鉱山で発見された水晶の一種、パワーストーン研究家Robert SimmonsとチャネラーNaisha Ahsianによって名付けられた水晶の一種です、その高いヴァイヴレーションを通じて高次の存在「アゼツAzez」にアクセス出来た事からAzeztuliteと名付けられました。

その後、似たヴァイヴレーションを持つバーモント産(写真)のニューアゼツライト(一般的に出回っている物はこの産地の物が多い)、インド産のサチャロカアゼツライト等が市場に出て来ました。(虚空座標のKUROさんによるとコロラド産のものも存在するようです)


さて数あるヒーリングクリスタルの中でこのクリスタルに特に風当たりが強いのは何故でしょう?

一つはご覧の通り、殆ど結晶の形では世に出ない為に結晶の特徴が知られていない見た目では何の特徴も無いありふれた石英系の石である事、要するに一般の水晶と異なる点が一部の人にしか解らない「ヴァイヴレーションの質」だけであり、その割に高額で取引される事が多いと言う点でしょう。

また、何より「Azeztulite」という水晶と別種の鉱物名と思わせる名前も問題です。

最近話題になっているのは、上記に記した様にノースカロライナ産以外のアゼツライトが出回った事が原因なのでしょうが元祖(?)アゼツライトを主張するHeaven & Earth社が商標登録するべく動いている事にも関係ありそうです(2007年4月に申請)


ではアゼツライトとは否定されるべき「まがい物」なのか?

これには単純にそうだとも言えないと思うのです、この種の石から「特殊なヴァイヴレーション」を感じる人は存在しますし、私はそう云う人々が全て嘘つきだとも妄想を抱いているとも思っていません。

この石が鉱物的には「普通の水晶(石英)」である事を解った上で、自分の判断でこの石に価格に見合う特別な魅力を感じる、そう云う人なら購入しても別に問題はないと思います。


そうでない場合は注意が必要です、なにしろ見た目では普通の水晶と区別がつかないわけですし、一部を除けば決して美しい石でもないのですから。(私のような“野次馬”も止めておきましょうw)

元祖のHeaven & Earth社のものなら大丈夫と書いてあるWEBもありますが、私自身はこれも疑問に思います、当初は20kgしか産出しなかった筈のものなのに商標登録して流通させるだけの在庫があるのが謎ですし、新しく産出されたなら石による個体差がある可能性も考えられます。

要は名前や伝説に惑わされず自分自身の判断で選べるかどうかだと思うのです。


標本系にはパワーストーンを完全に否定する方も居ますが、私自身は中立派の立場を取っています。

私も「立ち位置」は標本系に近いのですが、自分のアンテナは鈍くて受信出来ないけれど鋭いアンテナの持ち主が居てヴァイブレーションの質を見極めたりそれをヒーリングに利用したりする事はあるかも知れないなと考えてしまう訳です、また色石に関しては石の色から来る「カラーセラピー」の効果も無視出来ないと思います。

ただし、石の「リーディング」に関しては疑問を感じています。

「リーディング」は石の印象やヴァイヴレーションを物語化したものだと解釈していますが、例えば一つの「音楽」を聴いても人によって感じ方が違う様に一つの石から全ての人が同じ「物語」を紡ぎだすとは思えないから。


これは石に限らない事だと思うのですが、何かを選ぶ時にもっとも大切なのは「自分の感性」であり「判断」であると思います。

「ブランド」や他人が作った「伝説」に惑わされず、じっくりと自分にとって大切なものを選んで行きたいもの。

自戒を込めて切にそう思うのです。


アゼツライト水晶その2